年明けが迫った12月30日、郡山を朝7:00に出て車で第一只見川橋梁へと向かう。
12月28日の福岡の自宅から東京へと移動し、都内で旧友達と再会。翌日はすることもなく、宿の近くのカフェで時間を潰していた時にふと、第一只見橋梁へ行こうと思い立った。なんとなく、雪景色を見たいとは思っていたから防寒装備はしっかり持っていたのだが、先日紛失したインナーグローブだけ買い足して、郡山へ移動。郡山ではスポーツ用品店に立ち寄り、スノーシューズだけ購入してから前泊した。
郡山を出て磐越自動車道に乗る。しばらくは雪の姿など皆無だったが、ある地点でトンネルを抜けると、あたり一面雪景色に変わった。川端康成の『雪国』の書き出しを思い出した。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
未だに、最も美しい小説の書き出しだと思う。国境ではないけれど、「トンネル抜けたら雪」とか「トンネルの先に海」とか、クローズな視界が開ける瞬間というのはどうにも気分が良い。空は快晴で、緩やかな下り坂の先には猪苗代湖が見える。
会津坂下I.Cで高速を降りると、山道が続く。除雪はされているが、慣れない冬の道で神経を使う。
20分ほど走ったところに道の駅があり、そこに車を停めて直ぐのところに第一只見川橋梁のビューポイントがある。歩いて2分もかからないため、冬でも気軽に到達することができる。
ビューポイントには2名の先客がおり、僕の後にもう1名やってきた。構図を決め、試し撮りをしながら9:57の列車の通過を待つ。鉄道写真というのはやや専門範囲外であるが、なかなか緊張感がある。特に、只見線は1日に6往復程度しか列車が走っていない。失敗は許されない。
しかし、待てど暮らせど列車は来ない。10:20になっても来ないので、おかしいと思いスマートフォンで調べると午前中は運休になったらしい。先客達にも運休の旨伝えて撤収し、今度は会津若松に向かう。
会津若松では七日町を少しだけ歩き、スナップ写真を何枚か撮影。その後で、再び第一只見川橋梁に行くか、五色沼の方へ行くか悩み、結局、五色沼方面に行く。道中の道の駅で遅めのランチとしてソースカツ丼と喜多方ラーメンのセットメニューを食す。あまりの量に驚いた。
15:00頃に五色沼入り口に到着したが、様子がおかしい。正確には毘沙門沼と呼ばれる場所に行きたかったのだが、冬季閉鎖で駐車場が閉まっている。仕方がないから近隣を少しだけ歩き、日帰り入浴でも使って帰ろうと思い直したが、日帰り入浴も年末年始繁忙で休止。
今回は急な訪問だったからまあ仕方ないと言い聞かせて、泣く泣く退散。郡山への帰路に着いたのだった。